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Logic-11を販売開始いたしました。

 このたび、Logic-11を販売開始いたしました。
Logic-11は74HC系のロジックICでCPUを作るキットです。
本質的には、リレー製CPUであるFullRelay-11と同じ機能を、ロジックICを用いて実現したものです。
ただし、命令セットが一部拡張されています。

 これまで、FullRelay-11等を見た方から、以下のようなメールを頂くことが多くありました。
・FullRelay-11は、はんだ付けが大変そう
・価格が高い
・ロジックICで、より簡単で安価にCPUを作るキットを作ってもらえないか

 しかしながら、
・ロジックICを用いたCPU製作キットとしては、MyCPU80というものが既に存在する
・私自身はこれまでICを使わないことにこだわってモノ作りをしてきた
などの理由により、こういった要望に対しては、「MyCPU80をご検討ください」という答えをしておりました。

 多くの場合、それ以上連絡は来なくなるのですが、あるとき、某教育機関の先生から返信を頂き、以下のようなことを指摘されました。
・なるべく少ない個数のロジックICでCPUを作れるキットが欲しい。MyCPU80のロジックICは個数が多すぎる。
・MyCPU80が持つ8080互換の命令セットのほとんどは、実際のプログラミングにおいては使用しないのでムダである。
・高校生でも作れるように、回路図や組み立て説明書がなくても勘で作れるキットが欲しい。

 その後、何度かメールをやり取りし、詳細をお伺いするにつれ、先方様のニーズがよく理解でき、ロジックIC版を作成することになりました。
 基本的に、この製品に関しては、私自身のこだわりは捨て、お客様のニーズに沿った製品づくりを段階的に進めていくことになりました。
 基本的なご要望をまとめると、以下のようなことになりました。
・ロジックICの個数は極力少なく(MyCPU80の1/5以下)
・それでも、ちゃんとしたコンピュータとして使い続けられること
・組み立て時にミスを生じにくい構造になっていること

 まず、動画にあるような、動作確認用のLEDを多数つけたものを提供しました。
特徴としては以下の点が挙げられます。
・パーツの間隔をある程度あけ、はんだ付けをしやすくしてある
・パーツごとに向きを統一してある(コンデンサは横向き・抵抗は縦向きなど)
・随所に確認用LEDを用意

 これを実際に組み立てていただいた結果、以下の意見を頂きました。
・LED関係のはんだ付けだけで、はんだ付け箇所の半分近くを占めるのはムダである
・ステップ実行機能は不要(独自にBASIC言語によるコンパイラ&エミュレータをお作りになるそうで、デバッグ支援機能は実機では不要とのことでした)
・回路図も不要

 このご意見を受けて、LEDを減らし、ステップ実行機能を削除したものが、Logic-11です。
LEDは出力と、電源・リセット・ROM書き込み関係のみに絞り込みました。
用いているロジックICは7種類で、ICの総数は56個です。
ノートPCと同程度の大きさです。
ロジックICとしては、供給が安定しているCMOS系のみを使用し、74LSなどのTTL系は使用していません。
CMOSなので、線がつながっていれば動くだろうということで、配線美にはこだわらず、FullRelay-11の場合のような手配線をせずに、オートルータを積極的に使うことにしました。
その結果、多少不自然な配線は発生しましたが、気にしないこととしました。

 依頼の方の了解を得て、今回一般商品として販売することになりました。
一般商品化にあたって、ごく簡単な組み立て解説書を作りましたが、それ以外に付属ドキュメントはありません。

 プログラムはEEPROMに書くので、電源を切っても消えません。
 EEPROMへの書き込みはスイッチの上げ下げで可能です。
しかしながら、お客様から、スイッチでデータを書き込むのは非効率的であるというご指摘を頂き、最終製品では、ROMライターキットを付属品として用意いたしました。
ライターは商品ページにある写真の、右側のものです。(なお、写真にあるサインペンはサイズ比較用のものですので、製品には付属しません。)
Windows PCとROMライターをUSBケーブルで接続し、PC上で専用ソフトを動かしてROMにデータを簡単に書き込めるようになっています。

 ROMライターは独自開発したものですが、本製品固有の付属品というわけではなく、EEPROMへのデータ書き込みにある程度汎用で使用できるものです。
ライターはPICで作られており、ロジックICで作られているものではありません。
これも同一基板に載せてしまえば、コストは下がるかもしれませんが、それではロジックICでCPUを作るという趣旨に反するので、この点だけは私のこだわりが残り、
・ライターキットは付属するが、あくまでもライターであり、本製品とは別製品という位置づけ
・ライターを使いたくない人はスイッチの上げ下げでプログラミングしてもらう
ということになっています。
ややグレーな扱いかもしれませんが、現実的にはスイッチでプログラミングする人はまずいないだろうと思いますし、基本的に私のこだわりを反映させるべき製品ではないので、この辺りが落とし所となったという感じです。
ちなみに、中日電工社さんのMyCPU80ではPICマイコンが同一基板上に載っており、そのPICマイコンが本体より高機能なCPUになってしまっています。
この辺には中日電工さんはこだわりを持たなかったようです。

 なお、RAM, ROMのアドレス線は11bitすべてを使っているので、容量はそれぞれ2048ワードです。
 FullRelay-11では、RAMのアドレス線がたくさん余っていましたので、メモリーマップドI/Oで十分だろうという扱いでしたが、今回のロジックIC版では、11bitのアドレスを全て使いきっているので、別途I/O用の命令を用意いたしました。
 その他、BASICコンパイラが作りやすいように、レジスタの値によるメモリの間接参照機能を付けました。
 命令セットは、こちらのようになります。

商品は以下のものが含まれます
・ロジックIC, RAM, ROM 計56個
・ICソケット(初心者でも作れるように、全ICにソケットが付いています)
・その他スイッチ・コンデンサなどのパーツ
・簡単な組み立て説明書(見なくても作れるように配慮していますが一応付属します)
・アセンブラ・エミュレータ・ROMライティングソフトの入ったCD
・ROMライターキット



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