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ビル・ゲイツ初期の経歴を再検証 --- Part6


・トラフォデータ時代に、ボーイングの技術者に8008を用いた超小型コンピュータを作ってもらったという話で、なぜボーイングの技術者が唐突に出てくるのか

 これに関しては、
P93:二人の共通の知り合いが、ポール・ギルバートを紹介してくれた。ワシントン大学電気工学科の学生だ。彼には、夏の間に連絡を取った。

P93: 私たちは、これから作る新システムと、三人のチームの両方を「トラフォデータ」と呼ぶことに決めた。

P94: 彼はコンピュータの製作作業にとりかかった。
と書かれています。
 依頼した相手は大学生であり、どこにもボーイングの技術者は出てきません。ですから、これも疑問自体が無意味であったわけです。
ワシントン大学の学生というくらいなら、地元ですから、知り合いのつてでたどり着くことはできそうです。固有名詞まで出ているわけですから、この話は間違いないでしょうし、
P111:2002年、私は、この世に一つしかないトラフォデータのマシンをポール・ギルバートから買い取った。
とまで書かれているので、実物も存在しています。

・Altair全体のコンピュータアーキテクチャはどこで知ったのか

 これに関しては、
P124:アルテアの入出力のためのハンドシェーク・サブルーチンについてMITS社に質問したことがある。
と書いてあるので、必要があれば直接MITS社に質問をしたようです。
 この本にはこれ以上のことは書かれていませんが、Altairの記事が載せられた、ポピュラー・エレクトロニクス誌の1975年1月号の写真が、http://www.swtpc.com/mholley/PopularElectronics/Jan1975/PE_Jan1975.htm にあります。これを見ると、記事内にAltairのアーキテクチャの説明があることがわかります。こういったものも参考にしていたと思われます。
 8080のマニュアルだけを頼りにしてBASICを作ったというのは正しくありません。


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