UNIX V0とは、1969年にPDP-7で動作した最初のUNIXです。
ベル研究所の公式の支援を受けて作られた、PDP-11上で動作するUNIX V1よりも前に作られた、 ケン・トンプソンらによる私的な作業で作られたものです。
2016年に、Norman Wilson
という人物が、かつてベル研究所にいたときに、UNIX Roomにあった資料の
コピーを持っており、それをもとに復元されています。Norman Wilsonの経歴によると、Norman Wilsonは1984年から数年間ベル研究所におり、1980年代後半に資料をコピーしたということです。
この資料により、UNIX V0のカーネルが復元されましたが、この段階ではユーティリティの多くが欠けていました。
その後、リッチーに遺族からComputer History Museumに、リッチーが持っていた資料の保存が委託され、その中に"UNIX Book II"という表題のついた紙のバインダーが見つかりました。これは、どうやら、Norman Wilsonが持っていたものが"UNIX Book I"で、その続きになるものであるらしいことがわかりました。この中に、UNIX V0の一部ユーティリティのソースコードが見つかり、復元してUNIX V0に追加されました。
UNIX V0を動かすには、pdp7unix.zipをダウンロードし、展開して、Windowsのコマンドプロンプト上で、
pdp7 unixv0.simh
と入力します。
ログイン名とパスワードにkenと入力するとログインができます。
上記データは
https://github.com/DoctorWkt/pdp7-unix
にあるデータを、書かれている手順に従ってビルドして作成したものです。
The UNIX Heritage Societyに置かれているZipファイル内にあるイメージは、上記の"UNIX Book II"で見つかった追加情報を含まない古いものです。
ちなみに、これ以降のUNIXである、UNIX V1, V5, V6, V7を動かす方法は、こちらに書いております。
参考文献
https://wiki.tuhs.org/doku.php?id=systems:pdp7_unix
https://www.tuhs.org/Archive/Distributions/Research/PDP7/README
https://computerhistory.org/blog/the-earliest-unix-code-an-anniversary-source-code-release/
https://livingcomputers.org/Blog/Restoring-UNIX-v0-on-a-PDP-7-A-look-behind-the-sce.aspx
https://hackaday.com/2019/11/17/unix-version-0-running-on-a-pdp-7-in-2019/