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BIOSが吹っ飛んだ---Part1:吹き飛ばしちゃった編


 私のメインPCのBIOSを飛ばしてしまいました。
このため、メインPCが使えず、ノートPCを用いた簡単な作業しか行えずにいました。
このたび、どうにかメインPCを復旧できました。
今回は、その顛末を書きます。
長いので、吹き飛ばし編と復旧編の2回に分けます。

 私のメインPCは6年程度使ってきたデスクトップPCです。
基本的に貧民ですので、パソコンは壊れない限り買い換えません。
CPUがCore2DuoのこのPCも結構使いこんでおり、CADソフトのkiCadをはじめとして様々なソフトをインストールして使っています。
FullTr-11の設計も主にこのPCで行いました。

 OSはXPで使っておりました。
 しかしながら、そろそろOSをWindows7に変えようと思いました。
大掃除がてらハードディスクをごっそりきれいにするのも悪くないでしょう。
Windows8という手もありますが、ユーザーインタフェースの変更が大きく、何かと使い勝手が悪そうなので、Windows7で行くことにしました。
すべてのデータのバックアップを取り、ハードディスクをフォーマットしなおしてからWindows7のインストールを開始しました。

 私のPCはメモリーを4GB持っています。
32bit版のWindowsでは4GBすべてを認識しないので、64bit版を入れてみました。
しかし、64bit板をインストールしてみても、依然として3.2GB程度しか認識していません。
どうやらBIOSを最新版のものにしないといけないようです。

 BIOSというのはコンピュータが起動した直後に動く最小限度のプログラムで、一般的にはROMに書かれています。
FullTr-11ではディップスイッチで構成されるROMに相当する部分です。
もっとも最近のBIOSはサイズが300KB程度もある、かなりの大物でして、ちょっとした組み込み系OSよりも高機能だったりします。

 BIOSは最近ではフラッシュメモリーに書いてあるので、書き換えが可能です。
たいていは、メーカーサイトからBIOSを更新するソフトがダウンロードでき、それを実行するだけです。
ただ、万が一BIOSの書き換えに失敗すると、PCの電源を入れた直後に動き出すプログラムが正常に動作しなくなるので、パソコンがまったく動かなくなってしまいます。
ですから、素人は手を出すなと書いてある本もよくあります。

 実際のところはBIOS書き換え用のプログラムを動かすだけですので、書き換え中に電源ケーブルを足でひっかっけてPCが動作停止したりしなければ大丈夫、と思っていました。
これまでに何度かBIOSの更新をしたことはあり、難なく更新できてきました。
ですから、今回も気楽に考えていました。

 というわけで、さっそく、メーカーのサイトに行って最新のBIOS更新ソフトを手に入れます。
私のデスクトップPCはベアボーンでして、マザーボードも普通のものとは異なっています。
メーカーサイトも英語で書かれたサイトしかなく、そこからBIOS更新ソフトをダウンロードします。
ダウンロードのページに行くと、何やら英語で赤い太字で書かれた注意書きがあります。

 どうせ、素人は手を出すな、すべて自己責任だ、とかいったことが書いてあるのでしょう。
以前に更新に成功しているので、そんなおせっかいは無用だ、というわけで読まずに通過です。
はい、もうおわかりと思いますが、この慢心が間違いの始まりでした。

 手に入れた更新ソフトを起動します。
何回かOKのようなボタンをクリックすると、進捗を示すバーが出てきて、順調に進んでいきます。
ですが・・・、バーが70%程度まで進んだところで、それ以上進まなくなってしまいました。
待てど暮らせど、一向に進みません。
どうも更新ソフト自体がフリーズしているようです。

 これは、少々まずい状況です。おそらく、ROMへのBIOSの書き込みが途中までしか行われていません。
このままPCを再起動すると、ROMに書かれたBIOSが不完全であるために正常に起動しないことになります。

 ですが、まだあわてることはありません。
最近のOSではBIOSはPCの起動直後に使われるだけで、OSからBIOSの機能を呼び出すことはしていないはずです。
ですから、PCの電源を落とす前に再度BIOSの書き込みを行って成功させればよいわけです。

 というわけで、BIOS更新ソフトをもう一度実行します。ですが、今後は更新ソフトは起動すらしません。
先ほどフリーズした更新ソフトに関連したプロセスが一部残っているようで、それらを強制終了させると、一応BIOS更新ソフトは起動できるようになりました。
しかし、BIOSの更新を開始しようとするととたんに動きが止まります。
最初の更新失敗よりも明らかに形勢が悪くなっています。

 そんなこんなで、いろいろやっていると、出ました、ブルースクリーンです。
こちらの顔面も青くなります。
最近ではあまり見なくなったブルースクリーンです。
もっとも、ドライバー開発などをしているとそれなりの頻度で見ることにはなります。

 しかし変です。Windowsが起動している以上、BIOSは使われていないはずで、BIOSの機能が呼び出されない限りBIOSが破損していてもブルースクリーンは出ないはずです。
などと悠長に分析している場合ではありません。
もはやPCの電源を落として、再起動するしかありません。
再起動後にはBIOSは起動しないはずです。
再起動してみますと、PCを起動しても画面は真っ黒なままです。

 はい。こうして私のPCのBIOSは完全に吹き飛んでしまいました。
起動も一切できません。



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