ビル・ゲイツ初期の経歴を再検証 --- Part22
今回からは2次文献を見ていきます。
まずは、最も古い、
ダニエル・イクビア&スーザン・ネッパー著 「マイクロソフト-ソフトウェア帝国誕生の奇跡-」アスキー
です。
冒頭の説明によると、著者は、ビル・ゲイツ、ポール・アレンを含む15名のマイクロソフト関係者にインタビューし、マイクロソフトの資料室にある各種資料を参考にしたとのことです。ただし、文中の各記述が、どの資料に基づいているのかは書かれていません。
・なぜGEが他社のDEC製PDP-10を時間貸ししていたのか
UNIXの項で述べたように、当時GEは自社でコンピュータを製造・販売していました。
これに関しては、以下のように書かれています。
P25:母の会から3000ドルの寄付が寄せられ、学校に近いゼネラル・エレクトリック社のミニコン、DEC PDP10を使ってコンピュータの授業が始まることになった。
これは、先に見た1次文献にあるGE-635を時間借りしたという記述と矛盾します。
パソコン創世記
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/genesis/066/01.html
の記述はこれを参考にしていると思われます。
しかしながら、この箇所には、「DEC PDP10」と書きながらその直前に「ゼネラル・エレクトリック社のミニコン」と書くなど、本の著者がミニコンの基礎知識を欠いていることを示しており、内容の信頼性にも疑問を抱かせます。
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