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UNIX初期の歴史再検証 --- Part10

 公式マニュアル付属のその他のドキュメントの記載を見て行きます。

バージョン6に付属する"UNIX Summary (Draft)"には、

UNIX runs on a DEC PDP11/40, 11/45 or 11/70 with at least the following equipment: 48K to 124K words of managed memory: parity not used,

と書かれています。
メモリの最小容量が48Kという記述は、バージョン6付属の"The UNIX Time-Sharing System"に書かれている内容と矛盾しますが、この文書はDraftであるので、内容は多少雑に書いてあるのかもしれません。

 バージョン7補助資料内の"7th Edition UNIX -- Summary"にはDraftとは書かれておらず、

The 7th edition UNIX operating system runs on a DEC PDP-11/45 or 11/70 with at least the following equipment: 128K to 2M words of managed memory

という記載があります。
メモリが128KBとなっており、"The UNIX Time-Sharing System"に書かれている96KBと食い違いますが、96KBというのは必要な最小限度のメモリ量であり、実際にUNIXをいろいろな目的に使うとなると、ユーザーの作成したプログラムなどのための領域も必要でしょうし、メモリを購入できるのはきりのよい数字ということもあるでしょうから、ハードウエア要件としてはこのような記述になったのだろうと推測します。
バージョン1などのメモリはUNIXで必要とするメモリでしたので、それと一貫性を持たせるため、ここでは、128KBは採用しないこととします。
また、PDP-11/45が対応機種に入っており、これは"The UNIX Time-Sharing System"には書かれていない機種ですが、もともと1次資料であるバージョン7のsetupドキュメントにPDP-11/45が含まれていることから、これは特に問題はないでしょう。

 以上1.1次資料には、解釈を必要とする部分がありましたが、まとめると次の表になります。

バージョン日付台数ハードメモリ
バージョン019691PDP-7 8KB
バージョン11971/1110PDP-11/2024KB
バージョン21972/66PDP-11/20 
バージョン31973/24 38KB以下
バージョン41973/1130PDP-11/45 
バージョン51974/650PDP-11/4550KB
バージョン61975/5500PDP-11/40, 4564KB
バージョン71979/1 PDP-11/45,70, Interdata 8/3296KB

 明示的に記述されているものとしては、バージョン3の対応機種はわかりませんが、時期的に見てPDP-11/45が届いてしばらく経過しているとみられることや、バージョン3のマニュアルに書かれている

any system which uses a PDP-11/20 processor will not include all the software described herein, nor will the software behave the same way. The second, or even the first, edition of this manual is likely to be more appropriate.

という記述などから、PDP-11/45であると推定します。
この推定を含めると、以下の表になります。

バージョン日付台数ハードメモリ
バージョン019691PDP-78KB
バージョン11971/1110PDP-11/2024KB
バージョン21972/66PDP-11/20 
バージョン31973/24PDP-11/4538KB以下
バージョン41973/1130PDP-11/45 
バージョン51974/650PDP-11/4550KB
バージョン61975/5500PDP-11/4064KB
バージョン71979/1 PDP-11/45,70, Interdata 8/3296KB


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