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まとめ
ここまで長々と書いてきた内容をまとめます。
まず、UNIXのバージョン0からバージョン7までの内容は、以下の表でまとめられます。
これは、前々回の末尾に書いた表と同じです。
バージョン | 日付 | 台数 | ハード | メモリ |
---|---|---|---|---|
バージョン0 | 1969 | 1 | PDP-7 | 8KB |
バージョン1 | 1971/11 | 10 | PDP-11/20 | 24KB |
バージョン2 | 1972/6 | 6 | PDP-11/20 | |
バージョン3 | 1973/2 | 4 | PDP-11/45 | 38KB以下 |
バージョン4 | 1973/11 | 30 | PDP-11/45 | |
バージョン5 | 1974/6 | 50 | PDP-11/45,40 | 50KB |
バージョン6 | 1975/5 | 500 | PDP-11/40,70 | 64KB |
バージョン7 | 1979/1 | PDP-11/45,70, Interdata 8/32 | 96KB |
このほかに判明したことは、以下の通りです。
・UNIXのバージョンは、公式マニュアルのEditionで表すのが一般的だが、対応マシンの種類でバージョン付けしている文献があり、両者を混同しないようにする必要がある。
・UNIXがベル研の外に出たのはバージョン4が最初であるようだ。バージョン3以前がベル研あるいは関連施設の外に出たことを明示的に示す文献はない。
・ケン・トンプソンがSpace TravelというゲームをPDP-7上で作ったことは事実だが、これがUNIXへとつながったわけではなさそうである。ゲームの作成でPDP-7に慣れたというだけのことのようだ。
・当初UNIXは一度に単一のプログラムしか動かせなかった。これがUNIが名前についた理由のうちの一つかもしれない。
・UNIXがB言語で書かれたという事実はない。
初期のUNIXに関しては、書籍も含めて誤った情報がかなりあるようです。
この記事が、正確な事実の把握に役立てば幸いです。