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数学ではa+a=a×2を2aと書きます。
しかし、a×2なのですから、2aではなく、a2と書くほうが自然なような気がします。
なぜa2と書かないのでしょうか。aの2乗や、添え字の2と間違えやすいからという説がありますが、おそらく本質的には、そういう理由ではないと思います。
これは、日本語でのかけ算の表現方法が、他の言語と異なることが理由であると思われます。
日本語では2+2+2は、「2を3回たす」わけですから、2×3と表記します。
しかし、英語では、2+2+2は「3回2をたす」と表現するので、3×2と表記します。
×は英語では"times"と読みますが、そもそも"times"とは「・・・回」という意味です。
ですから"three times two"は、「3回2をたす」という意味になり、2+2+2を表すことになります。
実際、以前私がアメリカに住んでいた時に子供向けのテレビ番組を見ていたら、2+2+2=3×2=6と画面で説明していました。
少し話が脇道にそれますが、よく英語における比較の説明に
this one is three times as long as that one
という文章が出てきて、「これはあれの3倍の長さだ」と訳します。
普通はこういうものだと丸暗記しますが、正確に訳すと
「これはあれと同じ長さを3回くりかえしたものだ」
という意味です。結果として「3倍の長さだ」という意味になるわけです。
そういうわけで、英語の語順では、a+a=2×aであり、これを2aと書くのはごく自然なことです。
これがa+aをa2と書かずに2aと書く理由です。
と、ここまで言ってきてなんですが、この話は厳密には正しくありません。
おそらく、a+aを2aと表記するようになったのはイギリスが発祥ではありません。
多分フランス、場合によってはイタリアあたりで数式表現の基礎が作られたのではないかと思います。
その際の言語での数式表現の語順が、現在の数式表現につながっていると思われます。
数学というと、アラビア(アッバース朝)起源のものがかなりありますが、現在一般的に使われている数式表現は、アラビア由来ではないようです。
正確なところは知りません。
どなたか、正確なことをご存じの方がおられましたら、ご連絡ください。