誤りのあるサイト・書籍など --- Part4
今回も、脇英世氏の「IT業界の開拓者たち」をとりあげます。
今回はパソコンに関係して、ビル・ゲイツとポール・アレンの記事です。
ビル・ゲイツに関しては、単行本のP2で、元はHello! PCの1994年11月号に掲載された記事です。
Webでは
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/gyoukai/001/01.html
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/gyoukai/001/02.html
で読めます。
さすが、というべきか、この記事には間違いは見当たりません。
以前に書きましたように、「マイクロソフト - ソフトウェア帝国誕生の奇跡 -」などの書籍には、ビル・ゲイツの初期の経歴について怪しげな記述がみられます。
そういったものがことごとく外された記事になっています。
単に書くスペースがなかっただけかもしれませんが、間違いといえる記述がないことは事実です。
ポール・アレンに関しては、単行本のP4に書かれており、元はHello! PCの1995年7月号に掲載された記事です。
Webでは
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/gyoukai/002/01.html
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/gyoukai/002/02.html
で読めます。
こちらには以下の2点の誤りがありますが、いずれも些細なものです。
ポール・アレンは、ワシントン州立大学の図書館長補佐の息子で
と書かれていますが、以前に書いたようにワシントン州立大学とワシントン大学とがあり、ここはワシントン州立大学ではなく、ワシントン大学が正しいです。
ワシントン大学も州立ですから、それをワシントン州立大学と表記しても間違いとはいえませんが、
http://jibun.atmarkit.co.jp/ljibun01/rensai/gyoukai/002/02.html
の中ほどに「ワシントン大学」という表記があることから、この記事ではワシントン大学とワシントン州立大学は区別されており、上記の記述は誤りです。
アレンは、ワシントン州立大学のコンピュータPDP-10上でアセンブリ言語を使って、インテル8008チップの動作をシミュレートするプログラムを書いた。
には、ワシントン州立大学のPDP-10を用いて8008のエミュレータを作ったということが書かれていますが、以前述べたように、ワシントン州立大学にはPDP-10はなく、ここはボンヌビル電力事業団に関連したTRW社の仕事で使えたPDP-10を使用したというのが正しいです。
なお、これらの間違いは、脇氏の最近の著作である「ビル・ゲイツT」ではきちんと修正されています。
その意味では、現時点では間違いはないとも言えます。
前回までに書いてきた内容についても、著者は現時点では間違いに気がついている可能性は高いと思います。
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